根管治療ってなに?
- 2024年5月7日
- 根管治療
こんにちは、井関です。
今回は根管治療について書こうと思います。
今までに根管治療を受けたことがある方は、ああ、あれだよね。と分かるかもしれませんが、
初めて根管治療を受ける方には全く想像もつかないと思います。
根管治療には2種類あります。
一つは抜髄処置、もう一つは感染根管処置というものがあります。
まずは抜髄処置についてお話ししたいと思います。
抜髄処置
抜髄というのは、歯髄という歯の神経を取る処置のことです。
虫歯が進行してC3の状態になると、虫歯菌が神経に触れて神経が感染を起こします。そうなると、痛みが出て神経を取らないといけません。
この時神経の一部は細菌を起こしていますが、まだ全ての神経は感染を起こしていません。
(細菌感染が起こっている部分のみ取って感染が起きていない神経を残すという歯髄温存療法という処置もあります。これについては、後々細かくお話ししていきます。詳しくはホームページの診療案内 一般歯科・虫歯 をご覧ください)
治療は麻酔をし、神経を取ったのちに中を消毒してガッタパーチャという樹脂を根の中(根管)に入れます。
世界的な基準では成功率は90%程度です。
感染根管処置
感染根管処置というのは、大きく分けて2つあり、
①神経が細菌感染によりすべて死んでしまった状態(歯髄壊死)で、まだ根管治療をされてない歯を治療する場合
②かつて根管治療をし既に根の中(根管)にガッタパーチャが詰められている状態だが、根の中に細菌感染が起きている状態で、再度根管治療をしなければいけない場合で、
再根管治療とも言います。
①の場合は、ほぼ抜髄処置と行うことは変わりませんが、感染はすでに根管内全てに起こっているので、成功率は80%ほどに下がります。
②の場合は、まずは根の中に既に入っているガッタパーチャを全て取らないといけません。
ガッタパーチャの周囲に細菌がいるので、ガッタパーチャを全て取らないと細菌が根の中に残ってしまうのです、そうなったら治りません。
なので、まずはガッタパーチャを全てとって根管内を消毒して、ガッタパーチャを詰め直します。
これが、口で言うほど簡単ではなく、裸眼ではガッタパーチャの全ての除去はほぼ不可能です。
なので、成功率はは低く、成功率60〜70%と言われています。
マイクロスコープを用いれば根管内を実際に見ることができるので、ガッタパーチャの取り残しはかなり少なくなります。
この2つの処置を言い換えると、
抜髄処置は、根管内に細菌を入れないこと
感染根管処置は、根管内にいる細菌を取り出す、もしくは殺して、根管内を無菌に近い状態すること
となります。
そのために、絶対に必要なのがラバーダム防湿です。
ラバーダム防湿については、次回にお話をさせていただきます。