一般歯科・虫歯
一般歯科・虫歯
一般歯科は、虫歯や歯周病、根管治療、入れ歯の製作といった一般的な口内トラブル全般をみる診療科です。口内の治療はもちろん、お口まわりに関する相談や治療後のフォロー、定期的なメンテナンスまでその診療内容は広範にわたります。近年、歯周病と全身疾患の関連性が明らかになるなど、口腔ケアの重要性が増しています。
当院では、お口の中だけでなく、ライフスタイルやどのような健康を望まれているかをうかがい、一人ひとりの患者さんに合わせた診療方針をご提案し、お口の健康と全身の健康をサポートさせていただきます。お口の中に関して不安やお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。
このようなお悩みや症状はありませんか?
治療だけの場所ではなく、皆様の笑顔を作るクリニックを目指しております。お口まわりに不安やお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
虫歯が神経に到達してしまった場合(C3)、通常、歯の神経を抜く「抜髄」という治療になります。しかし、歯髄温存療法を用いれば、虫歯が神経に到達しても神経を保存することができます。具体的にはMTAセメントやバイオセラミック製材を神経が露出したところに置き、樹脂やセラミックで、その上部を封鎖します。下の二つの写真は神経が露出した時とMTAセメントで歯髄温存療法をしたところです。下7つは部分的な詰め物を除去した後、虫歯が神経にまで達していたために、神経の一部を取り、MTAセメントで歯髄温存療法を図り、セラミックの詰め物をしたところです。術前のレントゲンと術後8年レントゲンです。特に問題なく神経は生きている状態です。
神経を抜く「抜髄」という処置の成功率は、日本の保険診療ですと成功率は45%しかありません。歯髄温存療法は海外の文献によりますと成功率が96%を超えますし、私自身の経験でも同等かそれ以上の成功率と感じます。つまり神経が保存でき、なおかつ成功率が非常に高い治療なのです。では、何故全ての歯医者がやっていないのでしょうか?それにはいくつかの原因があります。
では、神経を抜くとどのようなデメリットがあるでしょうか?
神経を抜く時に多少なりとも歯の内部を削ります。つまり歯の中が空洞化されるわけです。そうなると歯が薄くなるので、噛む力によって歯が割れる(破切)可能性が高くなります。前歯では、そのリスクは1.8倍割れやすくなり奥歯(臼歯部)では、なんと7.4倍割れやすくなります。そして、歯が割れた場合はほとんどのケースで、残念ながら抜歯となり歯を失う可能性が高くなります。
歯を失う2大疾患は、ご存知の通り、歯周病と虫歯です。しかし、定期検診をきちんと受けている人は、当然のことながら、歯周病や虫歯で歯を失う可能性が低い傾向にあります。逆に定期検診をきちんと受けている人は、破切(歯が割れる)が歯を失う原因の1位です。これは何を意味しているかというと、きちんと定期検診を受けても歯磨きをしっかりとしても、破切はなかなか防げないということです。しかも、破切は予測もできず、ある日突然前触れもなく起きます。
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①でも言いましたが、神経を取る時には、歯の内部を多少なりとも削ります。そしてそれ以上に歯の上部(歯冠部)、つまり歯茎より上の見えている部分を多く削らないと歯の神経は抜けません。また、歯の神経を抜いた場合、基本的に奥歯であれば歯を全周削り被せ物をしないといけません。これは何故かというと、最終的な被せ物にする時に、部分的に詰めるよりも全周削って被せるほうが、歯が6倍割れにくくなるからというデータがあるからです。
当然のことですが、神経を抜くので、冷たいものや熱いもので痛みを感じなくなります。逆に、神経を抜いた歯が虫歯になっても痛みを感じないということです。そうなると、被せ物の中で虫歯が進行しても全く気づかず、ある日突然被せ物が取れた時などに歯を見ると、虫歯で歯がほとんどなくなっていたりもします。
どういう意味かと言いますと、ある一定の力が加わった場合、これ以上噛むと危険だと反射的に身体がそれ以上強く噛まないようにする機能が人にはあります。しかし、神経を抜くとその機能がおよそ2倍落ちます。つまり感度が悪くなります。そうなると、歯が欠けたり割れたりします。
以上のことにより、できる限り歯の神経は抜かないほうが良いのです。
逆に歯の神経を残すと次のようなメリットがあります。
歯の内部を削らないため、歯が割れる可能性がかなり低くなります。
歯は削れば削るほど寿命は短くなりますので、削る量を最小限にできれば、それだけ歯は長持ちします。
当院では、できる限り、歯の神経を残すことをポリシーにして診療をしています。神経を残すことが歯を失わない一番大切なことなのです!